祭りの季節がやってきた。
ここ秋田は花火が身近なのか町の夏祭りとかでも花火が上がっていたりして、冬以外の時期は常に週末どこかで花火があがっているといっても過言でない地域だ。
ぼくは祭りが苦手だ。すこし嫌いまである。だけどこの嫌いっていうのはほんとは行って楽しい気持ちになりたいという裏返しなのも自覚している。
自分は中学から地元を離れた。田舎なので普通に小学校の友達はみな地元の中学に進学した。一気に地元が”地元”でなくなった。外で小学校のときの”知り合い”に会うのが嫌になった。
やはりなんかはぶられてるような気持ちになる。当時自分の小学校では2人だけが違う中学に行った。一人は引っ越しに伴うもので、ぼくだけがわざわざ違う学校に行く状態になったのだ。
地元の祭りにも親とか行ったが、やはり知り合いに会えばなんだか変な気持ちになった。それから祭りに行かなくなった。親が行っても自分は家で過ごした。
当時を振り返れば、僕自身にも変なプライドとかいろんな思いがあってああいう態度を取っていた。全部自分が悪いのだ。地元の子たちは良くも悪くも変わってはなかった。
大学生くらいになって、地元の子たちとたまたま会うことがあった。普通だった。普通だったのだ。別に仲良くなるわけではない。でも普通にしゃべれるくらいに普通だった。自分が幼過ぎたんだと、そのとき思った。
そうやって自覚したんだけど、いまだに祭りは嫌いだ。人混みが嫌いだとも言ってみるが、東京に旅行しに行ってる時点で矛盾している。あのローカルに根差した感じがたぶん耐えられないのだ。
県外出身の同期としゃべった。県内出身ばかりのこの組織の中で異様な存在同士、仲がいい。外に出ていけない理由として地元には友達がいるけど、外には友達がいない、この快適な環境にどっぷり浸かってるんだと話した。それはいい悪いじゃない。でも外にうちの県が魅力的かを語るには県外出身でここに住んでるぼくらみたいな存在がもっと増えないといけないんじゃないか?とか話してた。
でも、心ではわかってる。ぼくらは地元に根差せないから外をふらふらしている根無し草みたいなもんじゃないかと。どこかでローカルに、コミュニティに浸かるが覚悟を持たないといけないと。
結局ぼくは地元で楽しく過ごしてる”ともだち”が羨ましかったんだと思う。ローカルにきちんと根差して生きている彼らがまぶしいんだと思った。
祭りの季節がやってきた。
今年は祭りを見に行くんだろうか。自分がいつか覚悟することを期待したい。