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生態系大学院生。いろんな書きたいことを書いていきます。

【質問箱まとめ】連載「マダムクラブ ~蜜の味~」

 

先日、カンボジア女子さんのカンボジア体験記の連載が終わりました。質問箱での連載ということで前代未聞でしたが、楽しく最終回を迎えました。

もし見てない方はこちらからどうぞ。

 

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 これを見たとある質問者さん、自称榮倉奈々似のボルボックス奈々さんが連載を新しく始めてくれました。フィクションとのことです。今回はかなり小説調なのでブログのほうでは私の反応は載せずに質問箱の画像を連続で載せていこうと思います。

ではおたのしみくださいませ。

 

マダムクラブ~蜜の味~

著者:ボルボックス奈々

全14話。完結済み。

マダムクラブ~蜜の味~

私は開業医の夫のいる42歳主婦。好きな服も買ったし、旅行も行った。宝石やアクセサリーも人がうらやむものも手に入れた。クルーザーも持っている。
人生のイベントはひととおりやった。でもやったら飽きてくるものだ。
でもなにか空虚な日々。子供も受験も済んであとはエレベータ方式でステータスのある湖畔の大学に行くのは決まっている。
いちご酒を飲んで夜勤の夫を待ちながら、私は人生の空虚さと向き合っていた。
しかし、次第に失われていく若さ。高級なスキンケアやボトックス、エステもやってるが、衰えは隠せない。若者のエキスが吸いたいのだ。
そう、いわば密。
ある日の昼下がり、マダム対象のベイカリー教室でクランベリーのマフィンを焼きながら、ともちゃんママがわ私に小声で言った。
「退屈してるでしよ?うん。わたしにはわかる。あなたがしらない楽園があるのよ。
知りたい?知りたくない?」
私は飢えていたのだ。ともちゃんママはスクールが終わりスタバでお茶して詳しい話を教えてくれた。
「会員にならない?でもこれは絶対に秘密だよ」
ともちゃんママはポーチからファイルを取り出して写真を見せた。
「!」
私は瞬時にそれが何かわかった。そして、

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院長婦人の三田さんでした。
三田さんはカフェに私を誘ってきて、入会を勧めてきたのです。
「あなたは楽園を見たくない?」
私の前でキラキラとした砂金が降りかかりました。
「春が来た」
もう止まらない情熱は走り出したら止まらない。
「秘密の会員クラブ。レイクサイド大学の陸上部のぴちぴちとした男子が、たべ・放題」
三田さんはわたしの耳元でささやきました。
「いきがいいわよ~」
会員の権利は500万、だけどレイクサイド大学のマラソンと言えば、毎年全国陸上でも有名な一目置かれる存在。
「クラブも資金不足らしいし、私たち、社会貢献できるのよ」
「で、でも」
一瞬夫と子供の顔も浮かぶ。
「もう、見て」
三田さんはタブレットを取り出して次々と陸上選手たちのほとばしるフォトを私に見せました。私は釘付けになり。お金を払いました。
その後。私はタクシーに乗せられて、湖畔のラブホへ。
指定されたホテルの部屋に入りました。そこで。

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副院長婦人は三田さんの配下の人でした。
私は日中陸上部のむーちゃんのすごいのを思い出しては恍惚としていたのです。
「三田さんはのお好みはどう、この人なんだけど」
スマホで学生の写真を見せてくれました、蘆田さんというんだけど、
この人面白くて金渡せば、ベビー服でもピエロの格好でもするの」
興味ある?ふふふ。
見ると竹内涼真風の人でした。私はまたあのエクスタシーをまた求めていたのです。
知らぬうちに私は蘆田くんと逢瀬を重ねていました。
蘆田君はなんでも後ろからも前からもなんでもできて、乾いた私の心を満たしてくれたのです。
「私はまだ枯れてない。よいママでも、妻でなくてもいいんだ」
しだいに火遊びが、本気になってきたのです。
でもマダムクラブの掟で学生たちには連絡は副院長婦人か三田さんからしかとれないのです。
私は彼が欲しくなってきたのです。学生でなくなったら彼は東北に帰ってしまうかもしれない。私の心がざわめきだします。

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ポルシェは湖畔を走り抜けました。並木や湖畔に映る寺院が月に照らされて雅でした。
スマホには子供と夫から着信履歴が。でもわたしはすっかり蘆田君の前では女になっていました。日本海に抜ける道により二人はたまらなくなり、情事にふけました。
蘆田君の若いエキスを私は吸いつくしたい。蜜の味を味わい尽くしたい。
私は砂漠に放り出された裸の蝶々でした。
蘆田君を吸いつくします。私は、蝶々。
車はやがて温泉宿につきました。泊ったのは田舎のラブホテルのような昭和な佇まいの街でした。二人は黙っていました。仕方なく言葉を切り出して温泉に行きます。
家族風呂だったので二人切り出した。
もう言葉はいりません。
温泉の中で二人はまた耽美な世界に浸りました。
しかし、また大きな出来事が。
蘆田君はマダムクラブではクラブのトップの三田さんのお気に入りでした。
私が蘆田君に入れ込んだのが、他のママ友経由で情報を流されます。
三田さんは大変激怒しました。
夫は私をスマホのGPSで追いかけようと試みていました。
私はこの楽園が永遠に続くものだと過信していたのです。

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ドンドンとドアを叩く音がしました。
のぞき穴から見るとなんと、夫と三田さんが真っ赤な顔して怒っています。
蘆田君は裸で寝ていましたが、飛び起きて、「裏口から逃げよう」といいました。
なぜか鍵がガチャンとあけられて、私と蘆田君は生まれたままの姿。
「私のハニーを、うばいやがって、このBIT*Tめ」この子は私が育てたと三田さんは激怒していました。蘆田君は裸であたふたしていました。夫はその様子を動画で撮影。
「まって、ちょっとまって。ふたりでちょっと話合わせて」と
いい私と蘆田君は車に逃げ込みました。タオルを身にまとったままです。
そしてレイクサイドを南下して街に帰っていきます。
「もう、もどれないところまできたのね」と私が言うと
「楽園を二人は追放されたんだね」と小声で汽船を見ながらつぶやいていました。
車は温泉街へ向かっていきます。
私はもうすべてを捨ててもいいと思いました。
でも蘆田君はどうなるのかと心配もしました。
蘆田君は水槽の生き物に給餌があると心配していました。

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温泉街で私と蘆田君は一緒に冷麺を食べた後で入浴していました。
温泉に入りながら蘆田君はマダムクラブでの中でも一番人気で
この界隈の病院でトップのマダムの三田さんの専属だったことを告白しました。
大学のサークルや研究室で資金不足でいろいろ援助してくれるから。
必要なんだ。バイトだしといいました。
夫から着信が、なんと私と蘆田君の動画をリベンジポルノしようかと言ってきたのです。
私は夫の言葉を疑いました。
温泉街でグルメも堪能し、このまま時間が止まればいいのにと思いました。
蘆田君は42の私に本田翼に似ているとか言ってくれるし、なんでも答えてくれます。
「まだ輝けるのよ、私」
蘆田君は来週に引退試合のマラソンがあるそう。もう就活もしていて、
もし失敗したらまっこーくじら社長のプログラミングスクールに入って世界債を買ってクラスといいます。
「時代はFIREだよ」
わたしはその言葉にもときめきました。
私は次の日に、二人の愛の巣であるアパートを丘の上に借りました。
そして猫を飼うことにしたのです。

10
アパートで暮らしてひと月くらいが経ちました。
私は主人がいない隙に荷物を取りに行ってだいか大学生の蘆田君と同棲していたのです。
夫はわたしに離婚届を渡して去りました。
蘆田君との結婚も頭をよぎっていました。
湖畔で「ねえ、蘆田君私のことすき?」
蘆田君はわたしの目を見つめていぶりがっこを齧りながら好きだと答えました。
蘆田君はドクターへ進学するのか迷っていました。
ラボに行く途中三田さんからつけられるそうです。
三田さんは「あなたとの熱い夜を忘れない」と追いかけて迫るそう。
マダムクラブはまだ病院関係者と陸上部での関係はつづいていたようです。
噂でマダムたちは大学の野球部の大学生たちの蜜も吸い出しているとか。
若いけど金が欲しいのとマダムの渇望、需要と供給は一致していたのです。
学費も払ってあげる代わりに若者たちは全てをささげていたのです。
そして蘆田君の体育会の引退のレースの日がやってきます。

11
蘆田君の引退レース。私は沿道に応援に行きました。レイク大の選手たち。
道沿いにいろんな委員の奥さんたちがいました。そうです。マダムクラブの人たちが
お気に入りの囲っている男の応援に来ているのです。
30-40代の黄色い声が響き渡っていました。周りはどう見てたんでしょうか。
レースは最下位でした。
その夜私は駅伝の格好のままの蘆田君と夜に溶け合いました。
レースの終わりと同時に私は蘆田君が卒業したらどうなるんだろうと気になっていました。
公務員になるかラボに残るか。
めだかの研究をしたいともいいます。また、グリーンランドに雨が降るのが気になるとも言っていました。
わたしは時々三田さんにも汚物をぶつけられたりして嫌がらせをされましたが。耐えました。
ある朝のこと。私は体の異変を感じて産婦人科に行きました。
そうです。蘆田君の子が。
わたしは決めたのです「産むわ」 

12
42での出産は勇気が必要でした。
蘆田君に妊娠のことを告げると困惑していました。
「ラ、ラボのボスが・・・」
蘆田君は秋田に院進で、受かっていました。
わたしも秋田に行く決心をしていました。
「もうこれは運命なのよ」
そして、ある日、ぼんやりテレビを見ていると、
な、なななななんと、
あのマダムクラブが県警に摘発されていました。
テレビにはモザイクかけた副院長婦人や三田さんも写っていました。
私は顎が外れそうなくらい驚きました。
「秋田に行く・・・」近所のうわさで、アパートにも棲みづらくなっていました。
秋田に行くのに私はついていきました。

13
わたしは秋田に行きましたが、警察には何度か足を運びました。
マダムクラブは複数の大学の体育会の組織とつながっていて売買をしていたようでした。
野球部とも。私の知らない事実が掘り起こされました。
秋田で私は出産時期を待ちました。
わたしは田舎でカフェを出してバリスタになりたいというささやかな夢もあったので
、軒を借りて営業許可を取ってちいさなカフェを始めました。
このときがいちばんしあわせな季節だったかも。
ある涼しい夏の夜。車で蘆田君と私は八郎潟の企業契約農場の中で激しく燃えました。
マダムクラブで私は若者のエキスを吸えたように思いました。
魔女が若者をさらってツボで似てエキスを抽出するという悪魔の儀式をする童話みたいに。
蜜の味は甘かったです。
出産まであと3か月のことでした。ある事件が起きます。 

14
元夫が訪ねてきました。
理由はわかりません。無言で玄関を開けると。家の中へ入ってきて、蘆田君を刺しました。
「てんちゅー」
わたしは叫びました。
「やめてー」
「マダムクラブの摘発依頼病院は経営傾いて廃院になったんだ」
「えっ」
というと、ガソリンをまき始めて火を付けました。
「まさか」

わたしが目覚めたのは病院でした。
元夫と蘆田君は?
ナースがそっと「みんないなくなってしまいました」
と言いました。
わたしは頭が真っ白になりました。
そして記憶を無くしていました。
わたしはだれ。ここはどこ。
しかしある言葉は覚えていて口ずさむそうです。
「蜜の味最高」ってね

FIN ボルボックス奈々  

 

 

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